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はいくの世界

六月の俳句鑑賞

今月の名句

六月に 綺麗な風の 吹くことよ

正岡子規

 正岡子規は近代俳句と和歌の創始者、高浜虚子が俳句を継承しました。

解釈:六月の風を綺麗と表現しています。五月は草花も育ち、色づき始め命の燃える時期。まさか、だれにも風は見えません。誰が風を見たでしょう、という歌もあります。

批評:しかし、子規には見えたのです。

 透明なはずの六月の風、すなわち初夏に吹く空気を、綺麗という視覚化した美意識が尋常ではありません。動物、植物あらゆる生き物が活動し始めた六月。初々しく吹き始めた風は命を得たのです。たとえば上五の六月に一月、八月、十月を入れ替えて朗誦しても、六月の落ちついた無機質の感じには勝りません。

 冬が終わり、いのちが喜び動く五月の風ではなく、落ち着いて静かにながれる六月の風であるからこそ風景として表現できたのです。さすが、子規の着眼点です。


六月の俳句

白なれど 蟻ちかよらず 塩の白

季語:蟻

東京湾 穴子釣り師の 蠢(うごめ)ける

季語:穴子

首夏の山 鳶滑空や 電波塔

季語:首夏(しゅか)

最近(五月)の誌紙掲載句

暖かや ついと空身(からみ)で 一回り

(日本経済新聞 横澤放川 選)

磨ぎ洗う 水の正直 夏来る

(日本経済新聞 神野紗希 選)

還暦に 竹刀再び 春の霧

(剣道時代)

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