2025年5月3日掲載
学芸員・わだむねの展覧会見て歩き2
東京芸術大学の相国寺展
5月25日までの開催。3月5日に行ってきた。人気の金閣寺、銀閣寺を含む相国寺展である。わたしの今回の目標は、夢想疎石像、後水尾天皇像である。もとより芸大美術館は狭いに、174作品の展示。時間をかけてみることは困難である。作品の間の距離がないので観覧者がたまる。そのうえ結界もないので、作品の側まで行って見る人もいて、作品の数もさること作法が混乱していた。
ここ数十年、美術ブームとやらで多くの展覧会が行われるようになった。テレビも視聴率がとれるので、各局が番組を持っている。そうなると美術鑑賞の作法よりも行ってきた、見てきたという報告で終わって、内容はあまり話題にならないようだ。もうそろそろ、美術品、美術館、時代、歴史、作家を深く理解しての展覧会という時代にしないと「美術館、大衆路線」では他国の美術館と国民のあり方に後れを取ることになるだろう。
2025年4月24日 記