2019年2月7日掲載

政治家がつかれると痛い10のポイント

—これが政治家選定の着眼点—

その10 地方分権をどう考えているか。

 国は悪、地方は善、という形式論はとらない。それぞれ存在価値がある。しかし基本は主権者である住民、その住民の一番関わりのあるのが地方、となれば地方に更に権力をもたらす必要がある。

 かつて夜警国家ということがいわれた。国は国際的なことをやっていればよい、ということだ。極端はともかく、地方のことを地方で治める地方自治は民主主義の学校といわれ、政治教育の現場だ。とはいってもそれだけではない面もある。皮肉な例をあげよう。

 私の経験を書く。福祉推進の役割を担う「民生・児童委員」がいる。これは厚生・労働大臣より委嘱され、無給である。地方自治、地方分権の立場からすると、都道府県知事の委嘱が望ましい、と民主党政権下で決められようとした。本当に地方に委ねることが良いことだろうか。私は今の大臣委嘱のままとする運動をし、成功させた。

 分権論者の私が、と不審に思われる方もいるだろう。しかし民生・児童委員の当事者はこの分権を拒否していた。なぜか。知事よりも大臣からの委嘱に本人、家族周囲が誇りをもっていたからである。私は無償の行為に報いるのは、本人の誇りに応えることと考えた。

 すべて地方分権が善であるということの間違いを理解いただけただろうか。ついでに言えば、都議会でわたしはただ一人、首都機能移転に賛成した。それはまぎれもなく地方分権であるからだ。

2019年1月28日 記