3月9日掲載
都立病院に伝統医療を シリーズその1
かねてこのHPでお知らせしていました漢方(伝統医療)について、これから数回にわたり私がかねてから主張してきました都立病院に漢方あるいは東洋医学の窓口を設置して患者の痛み、苦しみを改善する方向を、慶応大学医学部の渡辺賢治先生の『日本人が知らない漢方の力』を読み解きながら考えていきたいと思います。
漢方は日本の伝統医療で中国のものではありません。
中国の歴史は漢の時代がありましたから、それから類推して勝手に思い込んでいるふしがあります。
いまや欧米が漢方に関心を示しているというのです。このような状況ですが、09年11月に政府の行政刷新会議で漢方薬の保険適用が反故されそうになりました。
結局、署名を集めて対抗しました。このようなことを知っていましたか。
インフルエンザに漢方薬が効くのです。09年の新型インフルエンザにも効いたそうです。
アメリカ国立衛生研究所は年間3億ドル(約240億円)を投入しています。
世界保健機関も伝統医療を盛り込む計画があります。
伝統医療から注目されるのは、西洋医学がハイリスク・ハイリターンで「副作用があっても、それを上回る効果があって治ればいい」と考えます。
漢方をはじめとする伝統医療が世界的に注目されるのはこのような過激な医療ではなく体の持つ機能を引き出す自然な医療だからです。西洋医学とそれ以外の医学を組み合わせる「統合医療」が世界の潮流となっています。
そこで伝統医療が注目されて漢方薬の原料となる生薬が世界中で奪い合いとなっていて、主生産地の中国で輸出制限をかける薬草が出たりして、先行きは難しい問題があります。
できれば原本をお求め下さい。『日本人が知らない漢方の力』祥伝社新書 760円税別です。

3月8日 記 |