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2012年10月22日掲載

検討!! がん対策推進基本計画! 第1回

―新計画の核心は…―

 国は「がん対策推進基本計画」を6月に閣議決定しています。

 5年前の計画を大幅に改訂しています。その精神は「がんになっても安心して暮らせる社会の構築」で、また目標として掲げて患者の視点に立った施設を盛り込んでいます。

―ドラッグラグ―

 海外では普通に使われている薬が日本では使用できないことが「ドラッグラグ(薬の溝)」と呼ばれています。

 がんなどの難病では薬が大切です。日々改善されている薬は患者にとって希望です。新計画は「患者の視点に立って有効な薬や機器を迅速に提供する取り組みを進める」としています。そのために医師主導の治験を推進する「臨床研究中核病院(仮称)」を整備するなどの目標を掲げています。ドラッグラグの問題は2007年の前計画でも「承認審査を迅速化する」としています。11年度の審査期間は7年度のほぼ半分になっています。

 厚労省が10年に設置した検討会議は、医療上の必要性が高い未承認薬や、特定の病気に使用できても別の病気では保険で使えない適応外の薬について、企業に治験を進めるように促しています。

 新計画はこれを継続し、先進医療の適用範囲を広げ、未承認薬などを使いやすくするという目標を掲げています。

 しかし、高水準の臨床試験で有効性が証明された薬を、薬事承認がなくても保険適用する仕組みについては「今後の検討課題」として後まわしになっています。この仕組みは欧米では導入されていますが、日本では遅れています。

 生命と向きあっている患者にとっては、一日でも早く薬を使って家族や職場に帰っていきたいのです。

 このドラッグラグの解消は早ければ早いほど日本中に笑顔がもどってきます。

10月20日 記

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