2012年8月12日掲載
地域医療を急ぐ
―入院医療から在宅医療へ―
わが国の年間死亡者は約百二十万人です。そのうちの8割が病院で亡くなっています。高齢化がすすみ2030年には推定年間死亡者は約40万人に増えるといわれています。
ますます病院の対応能力を超えていくと予想されます。
国は在宅での医療や介護サービスを充実させる方針です。医療サービスを受けながら、住み慣れた自宅や地域で暮らしていきたいと願っている人々の思いと重なります。
そのためには人材確保が大切です。介護する家族の負担を減らし、症状の急変、激変に対応でき、看取りまで寄り添ってはじめて在宅医療といえます。まず医師、看護師、介護スタッフ、歯科医師、薬剤師など幅広い人材がそろい、協力する体制が要ります。地域には大きな病院はなく診療所が身近にあります。診療所同士の仕事の分担、患者の受入をしてくれる病院との連携が求められます。このような患者、家族の要求に応えるためには、地域の人々を繋げることが大事です。それには医師に時間の余裕や、勤務に対する報酬を確実に支給できなければなりません。
精神力だけで長く勤めることは困難です。
地域を包み込んで医療や介護が、在宅で循環できるような流れを作ることです。
患者を囲む地域の核を作り、そこに情報が集まり、対策が取られるようなネットワークです。
早速いろいろな人に声をかけましょう。明日はあなたの問題なのです。
8月10日 記 |