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2012年5月4日掲載

後手のおそまつ国交省

−関越自動車道7人死亡のバス事故−

 4月29日に起きましたツアーバス事故について、国交省は貸切バスを一人で運転する走行距離の上限を「一日当たり670km」と定めましたが、2010年に「健康面や生理学的な面を検討していない」ということで改善を求められていたのに怠っていたことが総務省の資料で明らかになりました。そして、今度の事故で上限670kmを見直そうとしています。

 まったく犯罪的な発想です。わが国の風潮で、それまで放置していたことを大きな事件や事故があった後にすぐにやることがあります。それこそ「全国総点検」といった勢いでです。何か犠牲が出ないと動かないのです。またその犠牲を理由にして、変え、取り締まるのです。古いことばに一罰百戒というのがあります。いわゆる見せしめです。そして管理責任を持っているはずの自分の責任を加害者にすり替える技術を使うのです。詐術といっていいでしょう。7人の犠牲がなければ総務省の資料も明らかにならなかったのです。

 こう考えますと総務省の指摘に従わなかった国交省は罪に問われるのではないでしょうか。指摘が生かされ実行されなかった背景を明らかにしなければ、運転手の個人犯罪に封じ込められてしまいます。今さら上限スピードを見直しても、7人の生命と被害者の人生を取り返すことはできません。

5月3日 記

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