2018年8月17日掲載

誰が決めた「危険な暑さ」

—大衆社会の危険な曖昧さ—

 いたずらに恒温に翻弄されている日本列島。気象庁は10日、一カ月先までの天気予想を出さない。異常高温の先行きがわかれば、今の対策が取れる。この欄でももっと行政がどの町にもある日頃、光化学スモッグや夕焼けチャイムで広報している防災放送を使って外出の危険それも生命にかかわる危険を忠告すべきといってきた。現在、8月4日までに都内でいわゆる熱中症などの高温で死亡した人は100人を越しているであろう。大変な数字だ。個人の心がけにまかせるだけでよいのか。公の行政が強く住民に自粛を求める段階である。

—自然の恐さを知るべきだ—

 人工頭脳の進歩、火星に人工衛星を送っている。iPS細胞の活用など最先端科学の進歩に酔いしれている時、原始から続く気候の力に無力な私たち。神か天かわからないが思い上がっている人類、人間に鉄槌を下しているとも思える。元に戻って誰が決めたのかわからない「危険な暑さ」などとせず、はっきり「あなたの生命に危険な暑さ」と表記し、放送すべきである。生命が一日に何人も奪われているのである。軽軽しい情報機関の表示は国民の生命を奪う。

2018年8月4日 記