2013年9月27日掲載
いわゆる法制度改革の誤算!
—なんでも変えればよいのか?—
法制度の近代化という触れ込みで二つの改革という誤算がありました。
まず法科大学院です。
2004年に始まりました。小泉政権では合格率の低い国家試験の一つである司法試験に手をつけました。
3年間で300〜400万円かけて法科大学院を卒業して7〜8割が合格できる目標を挙げていました。
今年9月10日に発表された卒業生の合格者数は約1900人で合格率は約26%でした。
年々志願者も減ってきています。昨年の7万人が今年は1万4千人で過去最低になっています。
また就職難で約2割が就職できません。74校あった大学院も8校が撤退しようとしています。
なんでこんな誤算になるのかというと、なんでも改革しなければという波が日本人の諸外国の法制度への劣等意識に火をつけたのです。
自信のなさです。明治維新の列強諸外国へ追いつけ追い越せの焦りの遺伝子が残っているのです。
それになんでも政治の変えたい欲望が、油に火を注ぐのです。
もう一つは裁判員制度です。これも外国の制度の輸入です。
これはもっと深刻です。福島地裁で裁判になっているのですから。概要はこうです。
63歳の女性裁判員が、国に200万円の損害賠償訴訟を起こしているのです。
裁判員経験者からの訴訟は全国で初です。
この女性は裁判員裁判で殺害現場のカラー写真や被害者が消防署に助けを求める録音テープを見聞きして、急性ストレス障害になったとして慰謝料を国に求めたのです。通院治療で休業が続き、会社を解雇されたといいます。
国は「国民の司法参加を求める合理的な制度」といっていますが、この女性は「正当な理由がなければ過料が科せられる、という呼び出し状の文面は、出なければ犯罪者にされるという恐怖感を持たせる」といいます。
この裁判は9月24日に始まりました。この制度が決まる時にも議論がありました。しかし十分に議論されず、まず諸外国なみに制度ありき、という姿勢で簡単に取り扱いました。
くじ引きのような決定法や、断れないなど強引でした。
どちらも外国の制度の安直な真似です。それも劣等感からくるものです。
急いで決めてその後で早とちりでしたというのです。軽率です。裁判官という職業者がなんのために存在するのか。
見たくない殺人現場の写真を見るなどは職業です。
ここで大切なことは諸外国の真似ということです。
とくに法科大学院については、この制度の誤算を導入した当時の責任者がはっきりと説明することが大切です。国民を実験材料にして、知らん顔をしているようなものです。国の各省の改革ブームでいちばん保守的にならざるを得ない法律の分野の本来の姿を忘れて、動揺した結果です。
裁判員制度も廃止して、外国は外国、日本は日本という態度こそが国に求められます。
日本の法曹界の底の浅さの証明です。
2013年9月26日 記
