2012年7月16日掲載 意味不明の「立ち上げ」―日本語漂流― 近ごろ「立ち上げました」とか「立ち上げ」がしきりと使われはじめました。お気づきでしたか。ゼロから第一歩を踏み出したとか、設置したとかの意味です。 それまでも同じことがあった時にどんな表現を使っていたのかと思い出します。 たとえば設置、新設でしょう。このごろ「立ち上げ」が目立つ理由は二つあります。一つは訓読みで理解しやすいことです。「シンセツ」というより「タチアゲ」のほうが聞いてすぐわかります。とくにラジオではまったく伝わりかたが違います。 もう一つは見えない制度の新設、補てんが多いということです。「21世紀は変わる」などと喧伝されましたが、経済が悪化はしましたが改善はされていません。そのほころびをつくろうのに新制度を「立ち上げる」必要が出てきたのです。スカイツリーを立ち上げたとはいいません。原発事故の調査会は立ち上げたといいます。 用語をわかりやすくする「立ち上げ」はよいのですが、制度の不備、不足を補う「立ち上げ」はもういりません。そう思いませんか? 7月16日 記 |