わだむねのピリリ一言

4月12日掲載

あまりに幼稚な世相

―かわいい現象の行きつき先―

 桜の季節、花見の季節と新入社員、新入生の歓迎会というとすぐに飲み過ぎの救急車騒ぎが出てきます。

 要するに「馬鹿騒ぎ」による急性アルコール中毒事件です。

 社会の規制や束縛から解き放たれて、アルコールを自分が抑制できる適量を越えて摂ることで酩酊するという構図です。

―甘えの構造―

 世間に「かわいい」現象が広がっていて、六、七十才の女性までもが何を見ても「かわいい」という風潮があります。犬や猫から身につけるものまですべてに「かわいい」です。

 対象物を幼いとみて「かわいい」というのでしょう。

 またそれをいう人もかわいいといってみたいのでしょう。女性を中心にして、「かわいい」現象はあちこちにあります。いつまでも幼い自分でいたい、また相手も幼いままでいて欲しいということでしょう。幼少期は甘えることが当り前です。世の中に甘えさせられて当り前のもたれあいの関係があります。

―他人に迎合しない自分―

 子どもたちにまず他人に嫌われないようにと教える教育、しつけが日本では当り前です。他人の目、他人の評価を気にさせるようにします。他人の中に埋没して集団で行動することで自分を隠し、評価を避けることが身につくようになります。

 そのようにして国ができあがっているのであれば、なまじ個人が自己主張しないほうが治めやすく、住みやすいのです。そんな生き方をしてくれば、さそわれて求められれば個人として、断ったりすることよりもそれに流されるほうが安易であるからです。

 まずみんなで仲良くということではなく、自分でしっかりと、自尊心をもつことから教育しなければなりません。花見や歓迎会のいっき飲みを断って、干されるような会社や部活動ならばさっそく辞めるべきです。

 自分の考えや心が自立していなければ、小さな誘惑にも乗じられるのです。

 春は毎年、情けない思いになります。

 わが国も地域も「かわいさ」を求め、幼いままで保護されることを望む未成熟のままの快感を味わっているのです。

4月10日 記

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