2014年10月7日掲載
犬の温かい二つの話
—忠犬タロー—
秋になって犬の話が二つ新聞に報道されました。
その一つは、はぐれた飼い主を17年間さがして、JRの常磐線石岡駅まで通いつづけた犬のタローです。
石岡駅の広場に「忠犬タロー」の銅像をつくる運動がおこっています。
タローは1964年から迷いこんだ石岡市立東小学校にすみついて81年に18歳で死んでいます。
そしてこの17年のあいだ片道2キロある石岡駅まで通いつづけたということです。
このときにタローは横断歩道、歩道橋をつかっていたとのことです。
これだけでは不思議な行動をとる犬ということだったでしょう。
しかしタローが注目されたのは死んで28年たった2009年に飼い主がわかったのです。
はぐれた時5歳の飼い主の女の子が、50歳になっていて、はぐれたいきさつもわかりました。幼稚園に通う途中、石岡駅でタローを見失ってしまって、別の町に住んでいてすれ違ってしまったということです。45年たってわかった真相です。
いま銅像建設の寄付金を有志が呼びかけています。
—恩返し犬シャクティ—
もう一つはシャクティという6歳の犬です。
銀座でインド料理店を経営するナイルさんの犬は千葉県鋸南町の自宅でナイルさんの生命を取り留めたのです。ナイルさんは7月の夜、ビールを飲んでいて畑に転落して、意識不明となります。シャクティはナイルさんの転落した畑と100メートル離れた母屋を行ったり来たりして吠え続けました。「普段はおとなしいシャクティがどうして?」。妻が気がついて犬の吠える後をたどるとナイルさんがいたというのです。
ナイルさんは病院に運ばれ、肋骨が8本折れ、背骨に3か所ひびが入っていることがわかりました。3日間昏睡状態でしたが、1か月以上入院して自宅に戻ることができました。
シャクティは館山のペットショップで、後ろ脚を引きずっている子犬で、目のあったナイルさんが不憫に思って買い求めたのです。犬をトレーナーにマッサージしてもらうリハビリを続けて四本脚で歩けるようになりました。
それからシャクティはナイルさんのそばを離れなくなったのです。
ナイルさんの生命を救ったシャクティは恩返ししたことになります。
二つの話から犬の不可思議な行動、敏感な知性を受けとめます。科学的に解明されることができれば、他の動物と人間との関係も潤いあるものになります。
心の温まる話と思いました。私の家のガモはどうでしょうか。
我が家の愛犬ガモ
2014年10月6日 記