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2013年3月9日掲載

事情判決の法理とは?

―行政訴訟法の規定―

 東京高裁は3月6日に昨年の総選挙での一票の格差判決で、小選挙区の定数配分を「違憲」としました。しかし、選挙は無効にはしませんでした。憲法に違反しているのになぜ?ということですが、無効にしない理由は行政訴訟法にあります。「公益を著しく害する場合、違法な行政処分でも取り消さない」という規定があり、それに拠っています。
 公益を害する理由とは、もう一度総選挙をやり直すと準備、その間の衆議院が機能しないなどの混乱が予想されるということです。
 民自公が2009年の衆議院、2010年の参議院について最高裁で「違憲状態」の判決が出ていることを承知で解散したのです。定数是正をしないままで総選挙をしても、この「事情判決の法理で無効にならないという政治、政治家のおごりがあったに違いありません。」
 公益を著しく害するという理由で、現実優先が憲法違反に勝るということです。
 しかし今回の判決では「一定期間内に是正しなければ無効になるという判決も検討すべきだ」としています。この判決では無効にしなかったが、同主旨のこれから出る15の判決に、猶予期間を付けることを期待しているとも思える内容となっています。裁判官の独立を憲法は定めていますが、後の裁判官に影響しないとは言い切れません。また繰り返しますが、政治、政治家はおごってはなりません。それと裁判、司法は政治に媚びるべきではありません。
 三権分立はこんな時に意味を持ちます。

和田都議「公益と裁判、政治と司法の関係を考えさせる問題です。もっと司法は力を発揮すべきです。民自公の解散までの政局中心の運営は、一票の格差是正という国民の利益よりも政党の利益を考えたものといえます。野田前首相はこの解散、党の大敗の責任を議員辞職で償うべきです。それほど重要な憲法違反です。」

2013年3月7日 記

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