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2012年7月10日掲載

部活動と授業を混同してはなりません。

―武道必修化の問題―

 4月から全国の中学校でダンス、剣道、柔道、相撲の武道から1種目を選ぶ必修化が実施されています。

 全国で1万1千校ある中学校のうち、柔道を選択したのは6千1百校で64%になります。あとは剣道、わずかに相撲です。文科省の公表です。

 ここで問題なのは柔道の部活動の事故で裁判になっている事例と授業を混同して報道されていたり、武道などの体育授業は年間を通じて行うものではないことです。

 私の都議会武道連盟でも明らかにしましたが、授業での事故はほとんどありません。部活動がすべてといってよいのです。それを授業で起きたように伝わっている節があります。私の経験では剣道の授業は年間15回程度です。1週間2回とすると2ヶ月で終わるのです。

 その外にバスケットボールや、陸上など6、7種目を取り入れるのですから本格的な試合などとても不可能です。なによりも格闘技なのですから、礼法、基本技だけです。50分授業で準備体操、整理体操をすると実質的に30分で何が出来るか、ということです。それも30人程度の集団授業ですから、授業はゆっくりです。

 事故は柔道では受身ができないほどの体力や反射神経が原因です。畳の生活を経験しない中学生は座って立つ、立って座ることも不慣れです。またその筋肉も骨格も慣れていません。

 実技に修練した人と教師がしっかり打ち合わせをして計画を作るべきです。

 ともかく武道必修化を誤解や不備な情報で混乱させてはなりません。必修化を十年来すすめてきた私とすると正念場です。

7月9日 記

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