2025年6月14日掲載
白鵬を野に放った相撲協会
白鵬が相撲協会と断絶して、「世界に相撲を広げる」と言う。私はこの欄でも白鵬の日本文化としての相撲、その体現者としての相撲取りの行動には疑問を投げてきた。横綱でありながら、格下力士への立ち合いの張り手、土俵を割った相手をさらに押し倒すといった、相撲を理解していないところであった。また優勝を決めた後に万歳をするとか。敗者に対する思いやりが、武道の心である。そのような相撲を理解していない最多優勝回数の元横綱が、相撲を世界に広げる活動をするという。
さて、これからは私の邪推である。日本相撲協会は「相撲協会」、「相撲」という名称に特許をとっているとも思えない。だから白鵬も相撲と称して「相撲」を今のルールや土俵の規模などに捉われずに、スポーツ、娯楽としての相撲を考えてもおかしくない。
いまプロレスに何何団体があるように、「白鵬の相撲組織」を作るのではないか。白鵬の裏にプロダクションがついて、お金になる話題を売るスポーツとしての「すもう」である。日本相撲協会に手ごわい商売相手が誕生するかもしれない。何しろ世界のトヨタ自動車が応援するというのだから。しばらくは、日本相撲協会と白鵬の大勝負のお手並み拝見といこう。
2025年6月14日 記