2018年10月20日掲載

おんぶか、抱っこか?

—安全第一と考える—

 シルバー人材センターの仕事で自転車整理の仕事をやった。駅前の整理整頓のためである。通行人も町並みも心地よいものだ。

 だが電動式自転車は重くて移動が大変だ。また複数乗りを前提とするものも長くて重い。

 このところ自転車の転倒事故が死亡事故につながることからの警告が伝えられる。

 7月に横浜市で1才の男児を抱っこして電動自転車に乗っていた母親が転倒。男児は頭を打って死亡した。母親は「ハンドルが効かなかった」と警察に語っている。母親は過失致死容疑で書類送検された。

—たかが自転車、されど自転車—

 いまの生活に自転車は不可欠である。それだけに簡便に利用しているが、これにも規則がある。東京都の場合、16才以上の人が6才未満の幼児を同乗させる時は、幼児1人を幼児用の席に乗せ、さらに紐などでもう1人背負うことは認められる。だがハンドル操作の誤りを防ぐために、抱っこは禁止されている。

 幼児2人用自転車でも抱っこ、背負っての4人乗りは禁止である。

 ところが現実はどうか。ほとんど守られていないのを、自転車整理員として見てきている。それでなくても簡便さと無秩序は隣り合わせである。赤羽駅の自転車の乱雑さが報じられたのは、2、3年前のことで全国的なひどさだった。

—子どものためのおんぶか、抱っこか—

 町なかでは背負われた子どもはほとんど見ない。ほとんど抱っこだ。親の都合もあるだろう。

 しかし、子どもから見てどうなのか。いつも目の前の父や母の顔や体がある。そのことの教育、情緒に影響はないのか。心理学者、教育者も研究するべきだし、報告するべきだ。

 抱っこで育てられて、もし何らかの影響があったら、日本中の抱っこ育ちの子どもは世代として共通の性向を持って育てられたことになり、取り返しのつかないことになる。

 抱っこが目立つようになって数十年が経つ。

 抱っこ世代がした時の物の見方、考え方に、偏りなどがあるかもしれない。

 背負われた時に同じ方向を見ていた子どもと、目前に保護者を見た子どもの育ち方に差があるとすれば、早いうちにそれを治験として公表し、対策をとるべきである。

2018年10月11日 記