2015年12月7日掲載

これから「政治」の実力が試される

—スー・チーさんの試練—

 12月2日、11月の総選挙で圧勝したNLD党首のスー・チーさんがテイン・セイン大統領、ミン・アウン・フライン国軍総司令官と会談しました。1990年の総選挙でNLDが勝利したのに、国軍政権がこれを認めず圧政が続いてきました。

 25年の間に国際世論も民主化勢力を応援するようになりました。現政権の二人もこれを知っているので、政権移譲を話し合ったのでしょう。憲法では全議席の25%を軍人に任命できるとしています。現実の政治を動かすためには軍事政権の存在も重要です。

 ビルマでは、スー・チーさんの父、アウン・サン将軍は国軍の父といわれていまだに尊敬されています。軍人の中にも慕う人は多いのです。

 選挙に勝利したスー・チーさんには民主化、対話の基本方針を維持しつつ、国軍、SPDC(国家開発推進党)などの野党、少数民族、諸外国との調整が目前の課題です。

2015年12月4日 記