2018年10月20日掲載

これからの政治研究

—多元社会の自分づくり—

 目まぐるしく変化する社会。台風の大きな被害があって女子テニス選手の世界進出。灼熱の夏と熱中症と死亡者。トランプ大統領の脱税疑惑と日本人学者のノーベル生理学・医学賞受賞。安倍政権の献金疑惑大臣の誕生と株価の27年ぶりの高値。

 それに芸能界、スポーツ界の出来事など目と耳が休まる暇がない状態が起こる。

—自分が自分らしくいることの困難—

 これほど外界が猫の目のように変わると、大海の渦の中の自分のように日日が動かされる受身の連続である。変化を当然のように感ずると、追いついていけない自分にあきらめて、傍観者となる。まさに受身となり、受容器になる。自らは発信機とはなろうとしなくなる。情報を受けたらそれを解釈し、自分の意見を作り出し、機会があれば表明する。これが現代の教育を受けた者の姿であろう。

 自分が外界の状況に流され続けることに慣れることの安易さは、社会を動かす側にとっては好ましい環境となる。自己喪失である。

—自省の時を持つ大切さ—

 自分が主とする活動の場すなわち会社、団体、学校、家庭にあっては集団の中で動かし、動かされることは当然である。自分の本意でないことにも従うこともある。しかし、それから解放された時は、例え10分、20分でも自らを省みる時間を持つべきである。

 自分は何のために生きているのか、満足できる日常と思っているのかなどを静かに思う。かまえて禅寺で坐ることなど必要としない。帰宅途中の図書館に立ち寄ることもよかろう。

 いろいろな情勢で動いている多元社会に振り回されずに、自分を自分として意識する生き方が個個人に求められる。自ら見つけて工夫する必要がある。

2018年10月4日 記