五月の剣道
五月に改めて考えること
いよいよ剣道の季節です。春それも心地よい風の中、防具を自転車に載せて街を行きます。自分でも剣道が好きだなあと思う時です。剣道を楽しみましょう。
王子神剣会は約50年になる歴史があります。私、和田宗春の剣道歴が、47年ですから。
山岡鉄舟さんと岡憲次郎さんの額装の言葉
山岡鉄舟さんの額装
剣道とはという命題に全剣連は「剣の理法の修練による人間形成の道である」と規定しています。これを前提にしてより身近に具体的に剣道を感じとれる言い方がないかと模索してきました。その間に剣道とは一口で言って、どう理解してよいのか迷ってきました。そして今年になって、結論めいたものにいたりました。それはたまたま頂いて額装されているお二人の剣士の言葉です。ひとりは山岡鉄舟さんの「剣道は風に吹かれる柳かな」という防具と竹刀の絵が付いたもの。四国のお医者さんでお花の先生から、十年以上まえにいただきました。お茶席にと求められたのですが、大きすぎるということで私に提供してくださったのです。
岡健次郎さんの額装
もう一つは国際武道大学の学長であった剣道八段範士の岡憲次郎さんのものです。
岡さんの額装は、中学校の同窓で、郁文館高校で岡先生から剣道を教わった剣道七段の友人からいただきました。友人は岡さんを崇拝する剣士でした。道歌で「遅れれば梅も桜に劣るらん先駆けてこそ花も実もあれ」というものです。剣道でいう「先・せん」の大切さを言っているものです。この二つの言葉は七段審査で長野に行く電車の中で何度口ずさんだことでしょう。さらにわたしは七段合格の四年前から、近くの体育館の道場で、毎週木曜日に一人稽古に行っています。その際中にふと、昔読んだ雑誌に、岡さんが全国の高段者に講話する時に話された言葉があったと思いだしたのです。私の剣道修行には欠かせない言葉です。
岡先生の箴言
それは私にとってはつぎのような箴言です。「剣道とは自分の命を取ろうとしてくる相手を目の前にして、方便に従って、仮に勝敗を試み今の此処の自己を瞬間に自己創造することである。」というものです。私のこの解釈については、後にここで詳解いたしますが、まさに考えさせられる言葉です。今はこの言葉とともに稽古、一人稽古をしています。深い理解までにはまだまだ時間がかかるでしょう。しかし私なりの灯は見いだせています。毎朝の素振りの稽古のとき口ずさんでいます。こんなあれこれを考えつつ今月、五月の風の中を仲間と「教育剣道の稽古」をいたします。
五月の稽古
これまで行ってきた拵え・足、膝、腰、肩、頭の位置の確認をします。また防具を付け始めた初心者は防具を正確に付け、仕舞えるようにします。毎回行っている木刀による基本技稽古法、日本剣道形、竹刀をもっての素振り、切り返し、打ち込みなどを行うことで、動きの伴う新しい剣道世界が見えるようになります。さて正しく、美しく 強い「教育剣道」を行う王子神剣会では、見学を歓迎します。
全日本剣道連盟公認指導員 スポーツ医学検定 救急技能認定 学芸員
教士 剣道七段 和田宗春
王子神剣会
会場:北区立王子桜中学校 2階 武道場
時間:日曜 午後6時〜8時
会費:月1,000円
おたずねは 全日本剣道連盟公認指導員 剣道七段 和田宗春まで
連絡先:〒115-0056 東京都北区西が丘2-23-6
電話:03-5993-6186(留守電の場合は必ず名前と電話番号をはっきりと吹き込んでください)
2026年5月 和田記
和田宗春の剣道教室 第九回
わたしは小学生からスキーをスキー学校に入って習いまいた。楽しむのではなく安全で上達するスキーが習いたかったからです。SAJの一級です。大学では体育会ゴルフ部に入り4年間在籍して、基本から習いました。そこで納得したのは楽しむための習い事には満足しない自分がいたということです。必ず師、先生を探して学ぶということでした。剣道もそうです。
さて今回の教室です。第八回では「手の内」という終わりの無い、課題に触れました。思い出してください。今回は「重力」について考えます。そうです。物理で習った、あれです。物は自然と上から下へ落ちます。これを剣道に取り入れてみたらどうでしょう。例えば面を打つ時には、誰もが振り下す時に竹刀を握る掌に力を入れます。これは大切な打ち切るためには重要な要素です。しかし、まず打ち下ろす前の振りかぶりを考えます。振りかぶりは重力に逆らって、竹刀を振りかぶります。この振りかぶりを早く出来れば、あとは重力にしたがって振り下すだけです。打つよりも振りかぶりを考えた剣道が大事です。そのコツは剣道場で勉強しましょう。
今回のポイント。重力を利用した打ちと振りかぶり。
2025年11月6日記