2017年9月21日掲載

現実と闘うスー・チー顧問

—沈黙から説明—

 スー・チー国家顧問が19日、ビルマ国内の少数民族ロヒンギャがバングラデシュに逃げ込んでいる問題で発言しました。今まで国際社会や国連から説明を求められてきていました。

 ビルマの西側のラカイン州がその混乱の地です。政府が攻撃した、いや武装集団から攻撃したと情報はくい違い、約40万人がビルマから避難したといわれています。

 スー・チー顧問のNLDが政権を取って1年半という短期間に永く続いた軍事政権の仕組みを改める時間はありませんでした。

 旧軍事政権の憲法がまだ生きているので、国軍の最高司令官が国防相、内務相の指名権があります。治安・国防は、この国軍最高司令官の権限となっているだけに、スー・チー顧問の個人能力では動かせません。限界があります。ビルマの政治を動かしていく現実の前で、無選挙で25%の国会議員は軍人が占めています。

 ノーベル平和賞受賞者のスー・チー顧問の個人への期待をビルマのためにどう生かすか。注目しています。

2017年9月20日 記